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星空の撮影に挑戦してみたいけど、難しそうだからなかなか始められないとお思いの方も多いと思います。しかし、星空の撮影は撮り方のコツさえ理解してしまえば、そんなに難しいものではありません。キャンプや旅行先で出会った満天の星空の記念として、美しい星空を写真に残してみませんか?

ここでは、星空撮影のはじめの一歩として、三脚にデジタル一眼レフカメラを固定して星を撮影する方法(固定撮影)についてご紹介します。

星空撮影のための条件

星空の写真を撮るには、昼間の撮影とは違ったポイントを理解しておく必要があります。

どこで撮る?

星空をきれいに撮るためには、何よりも周りの環境が重要。 夜間の照明が強い都市部では、人工の光が夜空を照らしてしまうため、明るい星を見ることすら難しい状況です。 星をきれいに写すためには、人工の光の影響が少ない場所を選ぶことが大切。空の透明度にも影響されるので、空気の澄んだ日を選びましょう。

月の状態で星の見え方が変わる

人工の光が少ない山奥に出かけても、月が明るいと星がよく見えません。星空の撮影に最適な時期は、月明かりがない新月のとき。新月の前後1週間程度で撮影をしましょう。

晴れていて雲のない日を選ぶ

星空の撮影の第一条件は空が晴れていて雲がないこと。事前に天気予報を確認しておきましょう。

星空撮影に必要なもの

星空撮影で必要なアイテムをご紹介します。

レンズ

はじめての方でも使いやすいのは、焦点距離が35mm(FXフォーマット/35mm判換算)以下の広角レンズです。なるべく明るく(F値が小さい)、開放付近でも性能のよい単焦点レンズが理想ですが、まずは、今お持ちのズームレンズで星空撮影にチャレンジしてみましょう。「AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G ED VR II」をお持ちなら、広角側(18mm[35mm判換算でいうと27mm])を使って星空と風景を大きくきりとることができます。


AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G ED VR II

レンズフード

余計な光がレンズに入ってくるのを防ぎます。星空の撮影で起こりがちな結露の防止にも役立ちます。

カメラ

星空は大変暗いため、自動露出が使えません。オートフォーカスも作動しないため、すべてマニュアルで撮影する必要があります。カメラの撮影モードダイヤルM(マニュアル)の位置、レンズのM(マニュアルフォーカス)のセット位置を確認しておきましょう。

予備のバッテリー

気温の低い山間部や郊外で長時間露光を行う星の撮影では、バッテリーの消耗が通常に比べて速くなります。冬場同様、夏でも予備のバッテリーを用意しておきましょう。

三脚

シャッターを数秒以上開け続ける星空の撮影では、三脚が必須アイテム。星空撮影用の三脚には、少しの風でもぐらつかないようなしっかりしたものを選びましょう。同様に雲台※も固定力が強いものをおすすめします。雲台は構図を自由に変えられる自由雲台も使いやすいです。

※三脚とカメラの間に設置し、カメラの向きを変えたり、 固定するための装置。

リモコン

シャッタースピードを遅くして長時間露出をする星空の撮影では、ブレを防ぐためにできるだけリモコンやリモートコードを使いましょう。おすすめはニコン別売のリモコン ML-L3、リモートコードMC-DC2、リモートコード MC-36A。シャッターボタンを指で押してから約1~3秒後にシャッターがきれる[露出ディレーモード]の使用も可能です。

・D3300など[露出ディレーモード]が非搭載のカメラには、セルフタイマー機能が便利です。
・各リモコンの対応カメラについては製品サイトでご確認ください。

リモコン ML-L3

リモートコード
MC-DC2

リモートコード
MC-36A

ヘッドライト

真っ暗な中でカメラをセッティングしたり、カメラの設定を変えたりするときに必要。懐中電灯より、手元が自由になるヘッドライトが便利です。暗闇での撮影での強い光は目の刺激になるので、赤色LEDのものをおすすめします。

あると便利なもの

夜露防止ヒーター

星空の撮影ではレンズに夜露が付着して、結露してしまうことがよくあります。結露してしまうと、像がぼやけてしまい、星をきれいに写し出すことができません。結露防止には、夜露防止ヒーターをレンズに巻きつけて温めるのが効果的です。

方位磁針

方位磁針は北極星を見つけるのに使用。北極星は、いつも真北の方角で輝いているので、天球の北極がどこなのかを教えてくれます。北極星の位置がわかれば、他の星も見つけやすくなります。

星座早見盤

現在、夜空に見えている星の位置を確認するのに便利です。星座が昇ってくる時間、沈む時間も確認できます。

双眼鏡

焦点距離が長いレンズで撮影しているときは撮りたい被写体がどこにあるかわからなくなってしまうもの。そのようなときは双眼鏡があると被写体を見つけやすくなります。ひとみ径が5 mmぐらいのものが星空観望に使いやすいです。

MONARCH 7
8x42

星空撮影のしかた(固定撮影)

カメラを三脚に固定してシャッターをきるだけのシンプルな方法で、夜空に輝く星空と、星空の下に広がる風景や建物などを一緒に写し込んで印象的に仕上げる方法を紹介します。
(使用カメラ:ニコンデジタル一眼レフカメラ D5500、使用レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G ED VR II )

セッティング

辺りが暗くなってからでは、カメラの設定や三脚の設置がしづらくなります。明るいうちに撮影場所を決めて、早めにセッティングを完了しておきましょう。


  1. 三脚、カメラ(レンズフード装着)、レリーズを用意する。

2.

自分の撮りたい構図に合わせて、カメラ三脚のおおよその位置・高さと向きを決める。

3.

三脚が安定しやすい場所を選び、三脚の脚をしっかり開いて設置。三脚にぐらつきが無く、安定していることを確認する。

4.

三脚に取り付けた雲台にカメラを載せ、しっかりと固定する。最後に各部に緩みがないか、もう一度確認する。

5.

リモートコードをカメラに取り付ける([露出ディレーモード]やセルフタイマー機能を使う場合は不要)。

セッティング完了

撮影手順

星空の撮影では、一般の撮影と異なり、星空撮影特有のカメラ設定があります。ここでは、星景写真で人気のある天の川を撮影したときの手順をご紹介します。はじめての撮影なら、これから示す手順や設定値に従って挑戦してみてください。

レンズ: AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G ED VR II

カメラ:ニコンデジタル一眼レフカメラ D5500

©Takayuki Yoshida

●画質モード:14 ビットRAW(NEF)●撮影モード:マニュアル、f/3.5、45秒● 高感度ノイズ低減 / 長秒時ノイズ低減:弱め/する● ホワイトバランス:オート● ISO 感度:3200 

撮影後の画像処理

市販の画像処理ソフトを使用。 夜空の背景がニュートラルグレーになるように、ホワイトバランスを調整。 トーンカーブを使い、夏の天の川が立体的に見えるようにコントラストを強調した。全体的に彩度も若干上げ、無彩色になりがちな星々に色合を与えた。

1.

撮影(露出)モードをM(マニュアル)に設定する

2.

液晶モニターの明るさを一番暗い状態に調整する

3.

画質モードを[RAW + FINE]にする。

4.

長秒時ノイズ低減を[する]、高感度ノイズ低減を[弱め]にする。

<ご注意>長秒時ノイズ低減を[する]にすると、撮影したときと同じ秒数の処理時間が必要なため、ノイズ低減処理が終わるまで次の撮影ができません。

5.

レンズをマニュアルフォーカス(M)にし、手ブレ補正(VR)をOFFにする。

6.

ズームリングを左側いっぱいまで回して、焦点距離を一番広角側の18mmに合わせる。

7.

ISO感度を3200にする。

8.

絞りをf/3.5にする。

9.

コマンドダイヤルを回してシャッタースピードをBulbにする。

10.

ピントを合わせる。

マニュアルフォーカスでのピント合わせは、レンズのピントリングを手で回して行います。ここではカメラのライブビュー機能を使ってピントを合わせる方法を説明します。

明るい星をライブビュー画面の中央付近に配置する(星が見えづらいときは、ISO感度を上げる)。

星を最大に拡大してピントを確認する(写真はピントが合っていない状態)。

液晶モニターを見ながらピントリングを回して、星が最も小さく、明るく見えるようになったらピント合わせ完了。

ピントが合ったら、ピントリングが撮影中動かないように、テープで固定する。

・星空の撮影は暗い中で行うため、構図を変えるときに間違ってピントリングを触ったりして、ピントがずれてしまうことがよくあります。

<ご注意>ピント合わせ終了後に、ズームを変えてしまうと、もう一度ピント合わせをしなければなりません。ピント合わせの前に焦点距離を決めておきましょう。

ひとことメモ

もし星でピントを合わせづらい場合には、遠くに見える街灯などを使って、同じ方法でピントを合わせてみましょう。

11.

セルフタイマーを使う場合は、セルフタイマーボタンを押して設定する。

12.

シャッターをきる。

13.

撮影画像を確認する。

ひとことメモ

撮影が終わったら、画像を液晶モニターに表示させて、画像を確認します。明るすぎるならISO感度を下げる、シャッタースピードを上げて露出時間を短くする、絞り値を大きくするなどしましょう。画像が暗い場合は、ISO感度を上げるか露出時間を長くします。

星の軌跡を残して撮る

三脚にカメラを固定して短い露出時間で星を点状に写す方法についてはすでにご紹介しました。では、露出時間を長くしてみるとどのように写るでしょうか?露出時間を30秒、5分、10分、15分で撮影したときの写り方を見てみましょう。写真から、露出時間が長ければ長いほど星の軌跡が長くなっているのがわかります。これは、地球の自転により星が動いているために起こります。撮影方法は点像で写す方法と同じで、ISO感度を下げ、露出時間を延ばして行います。撮影意図に合わせて露出時間を変え、印象的な星の軌跡写真にも挑戦してみましょう。

30秒

5分

10分

15分

©Takayuki Yoshida