

私はウエディング撮影を手掛けるようになってすぐに、ウエディングフォトグラファーは撮影する時間と場所を選べない職業だと気付きました。満足のいく表現のための条件は限られていますが、たとえ光が強すぎる場合でも、そこで撮影しなければならない。ウエディング撮影には、このような難しさが常に付きまとっています。そんな中で、質感、奥行き、雰囲気を、いかに描き出すか。これが撮影するときに私がいつも考えることです。そして今では、明るすぎる光の中でこそ優れた質感と雰囲気を作り出せると思うようになりました。この写真を見ていただければそれをよくおわかりいただけるかと思います。
今回もいつもの撮影と同じように、準備から本番までをごく短い時間で行いました。私の演出は、ほとんどの場合同じで、「与えられた状況の中で、被写体を最も素晴らしい光と構図におさめ、後はできるだけ被写体の自然な心の動きに任せる」というものです。結婚式の一日というものは一分一秒が貴重です。ですから、写真撮影だけに時間をかけているわけにはいきません。式のスケジュールは絶対にくずせないものなので、私の撮影のせいで式の進行が遅れてしまうようなことがあってはならないのです。この写真に漂う雰囲気は、まさに私が表現したかったものです。明るすぎるほどのドラマチックな光の中でこそ、この独特な雰囲気と奥行きの表現ができたのです。この時の光がもっと弱いものだったら、このような描写は絶対と言っていいほどできなかったはずです。
このカメラの画質は、まさに衝撃的です。まずは驚異的な解像度。背の高い草や花嫁のベールを見てください。ここまで緻密な細部の描写は、今まで見たことがありません。さらに、ダイナミックレンジも一段と広がっているように感じます。強烈な逆光の中でも、ベールは細部の複雑な質感を残しています。シャドー部でもハイライト部でも、細部が見事に表現されているのです。私の撮影スタイルにとって、これはとても重要です。強い光の中で撮影する場合、デジタルの限界を超える描写を追求するのですが、このカメラはその厳しい要求に素晴らしい性能で応えてくれました。
この写真を見ればD800の性能がいかに素晴らしいものかがわかります。高解像度と広いダイナミックレンジによって、画像の隅々まで被写体の細部が克明に描写されています。これまでは、撮影にある種の犠牲はつきものでした。たとえば、ドラマチックな光を優先すれば、ベールのハイライト部はとんでしまう。今までそれは仕方のないことだったのです。しかし、D800があればデジタルの限界を考慮して躊躇する必要はありません。これほどの細部の描写は、中判のフィルムカメラを除いては見たことがありません。このカメラなら、結婚式から家族の写真まで、あらゆるタイプのポートレートを時間をかけずに撮影できます。しかも、これまでのデジタル一眼レフカメラとは比べ物にならない解像感の高い画像が得られるのです。
クリフ•モートナー
(アメリカ)