

この写真はフランス国立図書館を撮影したものです。1368年に創立したこの図書館は、フランス国内のすべての出版物を収蔵することを目的としています。写真から壮大な内部空間が想像できると思います。撮影は、数世紀にわたって施設を拡張してきたこの図書館の一画、オーバルホール(楕円形の閲覧室)で行いました。1936年に竣工したこのホールは、写筆原稿や銅板印刷など、現在に至るまでの国の重要文化財を収蔵し、一般公開しています。閲覧室として建てられたこの部屋の雰囲気は特別で、至る所に歴史が感じられます。フランス国立図書館のオーバルホールは、世界で最も美しい図書館建築のひとつだと思います。
こんなにも多くの貴重な書物を一般に公開するこの場所に、私は撮影前、歴史とともに畏敬の念を感じることになるだろうと想像していました。そして実際に目の前に現れたのは、圧倒的な空間。撮影の数週間後でも、心に焼き付いたその空間の映像がありありと甦り、この写真を見る度に撮影時の感覚を思い出します。
この写真は、オーバルホールの独特の雰囲気をとてもよく捉えています。D800の鮮鋭感と細部の描写によって、写真は稀に見る立体感を備えています。RAWファイルを活かせば、画質に妥協することなく、120×180 cmの大きさにファインアート仕様の印刷をして、ギャラリーや美術館での展示にさえ耐えるでしょう。
撮影は、図書館上階の非常に狭い通路で行ったため、D800の小型で軽量なサイズ
にたいへん助けられました。PC-E NIKKOR 24mm f/3.5D EDを使い、静止画ライブビューで撮ったのですが、大きな液晶モニター上で画像を拡大し、ピントを確認した上での撮影ができました。マニュアルでのピント合わせも正確にできるので、私の撮影スタイルでは大きな武器になります。
建築写真は非常に魅力的で、成長しつつあるジャンルです。他の建築写真家も同じだと思いますが、私はいつでも小型軽量で信頼性のあるカメラシステムを求めています。なぜなら、納得いく作品撮影には、高解像度、鮮鋭感、ダイナミックレンジの3拍子が揃っていることが、まずは必要で、さらに梯子やフェンスの上からの撮影、地面にかがみ込んだ無理な姿勢での撮影も多いため、カメラの大きさや重さが重要になるからです。今私は、SF映画にインスピレーションを受けた「Endor」というプロジェクトの撮影を行っています。火山に登ったり、氷河の地を歩いたり、ヘリコプターから空中ブランコにぶら下がるような格好で撮影したり。機材が小型軽量であればあるほど、自分の限界を押し広げることができるのです。
ベンジャミン•アントニー•モン
(ドイツ)